2021.10/28thu~11/14sun
まさか1年前と同じような心境で新作づくりに挑むことになろうとは。2021年8月現在、ワクチン接種が進んでいるとは言え、状況は昨年の公演『The last night recipe』のときより悪化している。執筆に集中しているときや、演劇の現場に通っているときはポジティブでいられるのに、台本が行き詰まったとき、感染症対策の打ち合わせをしているとき、コロナの良くないニュースを見聞きしたときに突如ネガティヴになる。日々、気持ちが行ったり来たりする。それでも、公演に関わってくれるキャストやスタッフがいて、みんな様々な思いを持ちながら、前向きでいる努力をしたり、具体的な感染症対策をしたり、とにかくがんばっているのだから、「主宰が不用意に不安な気持ちを露呈してはいけない」と思って奮い立たせる。気力を漲らせる。どこからか「気力」を見つけだして「やる気の容器」に水面いっぱいまで注ぐ。気力の表面張力。少しでも揺らしたら溢れてしまいそうだ。いや、本当にもう勘弁してほしい。2021年8月上旬。このテキストを書いている段階での僕の正直な気持ちの発露。ただ、実社会でも作品内でもコロナ禍という状況に戸惑いをもって歩みを進めていた1年半の間に、わかったこともある。少なくとも作品世界に戸惑いを持ち込む必要はないということだ。どんな状況でも書きたいものを書くべきだし、上演に向けて進める以上、納得のいく作品づくりを行いたい。これも正直な気持ち。秋が近づいて、稽古がはじまり、本番を迎える段階では、先述の通りポジティブな思考をベースに、色々な判断を下しながら日々過ごしていることだろう。少し未来にいる自分が健全でありますように。そして、お客様におかれましても、ご自身の健康と安全を第一に毎日をお過ごしください。秋には本作を楽しんでいただける状況となって、劇場でお会いできることを切に願っています。
横山拓也
iakuは2012年に劇作家の横山拓也が大阪で立ち上げた演劇ユニットです。緻密な会話が螺旋階段を上がるようにじっくりと層を重ね、いつの間にか登場人物たちの葛藤に立ち会っているような感覚に陥る対話中心の劇を発表しています。主に関西弁を用いたセリフ劇を多くつくっていますが、今回はいわゆる標準語でのやりとりで紡ぎます。元噺家のダメ親父役にベテラン俳優・モロ師岡さん、その息子役に今回が初舞台の新進俳優・杉田雷麟さんを迎えます。父と息子のドラマを中心に、現代社会で起こり得る、あまたの問題を抱えたリアルな家族関係を描きます。他に、劇団俳優座に書き下ろした横山作品に2度出演の清水直子さん、iaku常連の橋爪未萠里さん、iaku立ち上げ前から横山が熱視線を送っていたザンヨウコさん、劇作家・演出家としての高い評価とともに俳優としても魅力溢れる平塚直隆さん、過去に何度も出演依頼をしてきてようやく出演が叶った長橋遼也さん、今年2月のENBUゼミナールの公演(横山演出)で見出した鈴木こころさんが出演。iakuならではと言えるこのキャストの並び。活躍のフィールドも、活動地域も、キャリアもバラバラ。ですが、作品に集い、作品に貢献してくれるメンバーが揃ったと思っています。会場は、いつかここでやれたらと思っていた憧れのシアタートラム(東京)と、いつかiakuとしてここに戻って来られたらと思っていたABCホール(大阪)。規模的なチャレンジもありますが、この数年培ってきた中劇場での上演の集大成として取り組みます。
二間続きの向こうの部屋から、くぐもった声が襖越しに聞こえてくる。何度もつまずきながら、小さくボソボソ繰り返される。一人になれない狭い市営団地。布団にもぐって耳を塞ぐ。たったひとつのネタすらまともに覚えられない、噺家くずれのダメ親父。
誰もが希望を持てた1980年代を謳歌しながら、自らの夢を雑に扱った父と、苦難の2000年代に生まれ、シビアな毎日で夢を見る暇もなかった息子。反目してきた親子が2020年代を迎え、大きく変化した家族の姿を改めて見つめる。
モロ師岡Moro Morooka
1959年生まれ。千葉県出身。96年『キッズ・リターン』で東京スポーツ映画大賞助演男優賞を受賞。ひとりコントや古典落語を現代に置き換えたサラリーマン落語をライフワークとして精力的に開催。近年の出演作に映画『私の男』『闇金ウシジマくんザ・ファイナル』『あゝ荒野』『ザ・ファブル』、テレビ『逃げるは恥だが役に立つ』『これは経費で落ちません!』『ライオンのおやつ』、舞台『クローズZERO』『私に会いに来て』(原作は韓国映画『殺人の追憶』)『チョコレートドーナツ』、『ヒミズ』、方南ぐみ企画公演朗読劇『青空』など。
杉田雷麟Rairu Sugita
2002年生まれ。栃木県出身。2018年『教誨師』(佐向大監督)で映画デビュー。ほか主な出演作に『半世界』(19/阪本順治監督)、『長いお別れ』(19/中野量太監督)、『罪の声』(20/土井裕泰監督)、『子どもたちをよろしく』(20/隅田靖監督)、『孤狼の血 LEVEL2』(21/白石和彌監督)がある。『半世界』では第34回高崎映画祭 最優秀新進男優賞、第41回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞を受賞する。またテレビドラマ主な出演作に、スペシャルドラマ『Aではない君と』(18/TX)、『エール』(20/NHK)、『ここは今から倫理です。』(21/NHK)がある。
清水直子Naoko Shimizu〈劇団俳優座〉
1971年生まれ。三重県生まれ埼玉県育ち。桐朋短期大学演劇科卒、俳優座入団。俳優座『雉はじめて鳴く』『首のないカマキリ』『七人の墓友』『パック・オブ・ライズ』、温泉ドラゴン『ある王女の物語~徳恵翁主~』、オフィスコットーネ『海のホタル』、名取事務所『獣の時間』、TRASHMASTERS『堕ち潮』、TOKYOハンバーグ『愛、あるいは哀、それは相。』等々。2012年度・第20回読売演劇大賞優秀女優賞受賞
橋爪未萠里Iyuri hashizume
1988年生まれ。兵庫県出身。神戸に生まれ、神戸で育つ。2007年に神戸を拠点とする劇団赤鬼に入団。他にも客演多数。2018年に活動拠点を東京へ。最近の出演作品にパルコ・プロデュース『目頭を押さえた』、オフィスコットーネ改訂版『埒もなく汚れなく』等がある。iaku作品にはすでに9作品に出演。
ザンヨウコZan Yoko
1973年生まれ。千葉県木更津市出身。98年に劇団「危婦人」の旗揚げに参加。2014年の退団までほぼ全作品に出演。舞台『ロミオとロザライン』(作・演出:鴻上尚史)、『喜劇「おそ松さん」』(松野松代役)、『忘れてもらえないの歌』(作・演出:福原充則)などに出演するほか、動物電気、少年社中などの公演にも参加。『リッチマン、プアウーマン』、『天誅』(共にCX)などのTVドラマ、映画、ラジオ、CMにも多数出演。居合道初段。
平塚直隆Naotaka Hiratsuka〈オイスターズ〉
1973年生まれ。愛知県出身。2000年プロジェクト・ナビ入団。以降、解散までほぼ全ての北村想作品に出演。2005年「オイスターズ」結成。全ての作・演出を担当。ライトでドライな不条理系会話劇を得意にしている。第4回仙台劇のまち戯曲賞大賞、第16回劇作家協会新人戯曲賞最優秀賞、第12回AAF戯曲賞など受賞多数。演出家としても2011最優秀賞受賞。他にも劇王Ⅹ~アジア大会~優勝、第61回岸田國士戯曲賞最終候補など。
長橋遼也Ryoya Nagahashi〈リリパットアーミーⅡ〉
1992年生まれ。大阪府出身。大阪の富田林で生まれ育ち大学に行くのが嫌という理由で大阪ダンス&アクターズ専門学校に入学。そこで演劇と出会い、2013年に大阪の劇団、Zsystmに入団。その後2015年にリリパットアーミーⅡの劇団員になり、現在に至る。主に大阪を拠点とし役者活動を続けている。昨年にはPARCOプロデュース「佐渡島他吉の生涯」への出演が決まっていたが緊急事態宣言の発令により残念ながら公演は実現しなかった。
鈴木こころKokoro Suzuki
1999年生まれ。福岡県北九州市出身。高校卒業後、突然芝居への興味が芽生え、2018年に上京。声優養成所に通った後、2020年にENBUゼミナールに入学。映像・舞台演技を学ぶ。横山拓也が演出を担当した卒業公演『5S~5つの小作品~』で、初めて有観客の舞台に立つ。好きな柄は矢絣。
※開演の45分前より受付開始、30分前開場
[車いすスペースのご案内](定員有・要予約)
料金:一般料金より 10%割引(付添者は 1 名まで無料)
申込:ご希望日の前日 19:00 までに
03-5432-1515 世田谷パブリックシアターチケットセンターへ
[託児サービスのご案内](定員有・要予約)
料金:2,200 円
対象:生後 6 ヶ月以上 9 歳未満(障害のあるお子様についてはご相談ください)
申込:ご希望日の 3 日前正午までに
03-5432-1526 世田谷パブリックシアターへ
【発売日】
9/22(水)世田谷パブリックシアター友の会先行
9/24(金)せたがやアーツカード先行
9/26(日)一般発売
【料金】全席指定
一般前売:5,000円、当日:5,500円
世田谷パブリックシアター友の会割引: 前売4,500円(前売のみ取扱)
せたがやアーツカード: 前売4,700円(前売のみ取扱)
※「せたがやアーツカード」に要事前登録。
(世田谷区在住の方対象)
U-25(25歳以下):前売・当日とも2,000円
高校生以下:前売・当日とも1,000円
※「U-25」及び「高校生以下」は、当日年齢を確認できるものを提示
※未就学児入場不可
ギフトチケット始めました!
ギフトチケットとは?
先に必要な枚数を購入して、友人や家族、大切な方にプレゼントし、贈られた方があとから日時指定できるチケットです。このギフトチケットが、舞台芸術に関心のなかった人にとって「劇場へ足を運ぶきっかけ」になってくれたら嬉しいです。
【購入】
<世田谷パブリックシアターチケットセンター>
03-5432-1515(10:00~19:00)
https://setagaya-pt.jp/
※窓口での発売・発券はございません。
〈チケットぴあ〉
https://w.pia.jp/t/iaku/
TEL 0570-02-9999
<Pコード 東京: 507-599>
セブンイレブン
〈イープラス〉
https://eplus.jp/iaku/
ファミリーマート店内 Famiポート
〈ローソンチケット〉
https://l-tike.com/iaku/
<Lコード 34040>
ローソン、ミニストップ店内Loppi
〈演劇最強論-ing〉
http://www.engekisaikyoron.net/(手数料無料)
公演に関するお問合せ
iaku TEL 080-9759-2383 info.iaku@gmail.com
チケットに関するお問合せ
サンライズプロモーション東京 TEL 0570-00-3337(月~金・12:00~15:00)
※開演の45分前より受付開始、30分前開場
大阪市福島区福島1-1-30
TEL 06-6451-6573
MAP
阪神本線「福島駅」から徒歩5分
JR東西線「新福島駅」から徒歩5分
JR環状線「福島駅」から徒歩7分
京阪中之島線「中之島駅」から徒歩7分
※駐車場はございませんので公共交通機関をご利用くださいますようお願いいたします
【発売日】9/26(日)
【料金】全席指定
一般前売:4,000円、当日:4,500円
U-25(25歳以下):前売・当日とも2,000円
高校生以下:前売・当日とも1,000円
※「U-25」及び「高校生以下」は、当日年齢を確認できるものを提示
※未就学児入場不可
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ギフトチケットとは?
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【購入】
〈チケットぴあ〉
https://w.pia.jp/t/iaku/
TEL 0570-02-9999
<Pコード 大阪: 507-600>
セブンイレブン
〈イープラス〉
https://eplus.jp/iaku/
ファミリーマート店内 Famiポート
〈ローソンチケット〉
https://l-tike.com/iaku/
<Lコード 34040>
ローソン、ミニストップ店内Loppi
〈演劇最強論-ing〉
http://www.engekisaikyoron.net/(手数料無料)
公演に関するお問合せ
iaku TEL 080-9759-2383 info.iaku@gmail.com
チケットに関するお問合せ
サンライズプロモーション東京 TEL 0570-00-3337(月~金・12:00~15:00)
舞台美術 : 柴田隆弘
舞台監督 : 青野守浩
照明 : 葛西健一
音響 : 星野大輔
音響オペ : 今里愛(Sugar Sound)
音楽 : 野井勇飛(シャダックス)
演出助手 : 朝倉エリ
衣裳 : 中西瑞美(ひなぎく)
文芸協力 : カトリヒデトシ
ドラマトゥルク : 上田一軒
宣伝美術 : 下元浩人(EIGHTY ONE)
チラシ写真 : 井手勇貴
映像収録 : 堀川高志(kutowans studio)
宣伝 : 吉田プロモーション
アソシエイトプロデューサー : 渡辺信也(TBSテレビ)
制作 : 德永のぞみ
制作協力 : 高村楓
ラインプロデューサー : 笠原希
東京公演提携:公益財団法人せたがや文化財団、世田谷パブリックシアター
東京公演後援:世田谷区
主催:一般社団法人iaku
文化庁文化芸術振興費補助金
(舞台芸術創造活動活性化事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
<東京公演>
<大阪公演>
令和3年(第76回)文化庁芸術祭参加公演