クローゼットとは、
自身のセクシャリティーを公表しない状態のことをいう
作 横山拓也 演出 上田一軒
2015年11月13日(金)〜16日(月) アイホール
2015年11月20日(金)〜22日(日) 吉祥寺シアター
2年ぶりの新作本公演!
2012年より活動をスタートした iaku は、今年4年目を迎えました。立ち上げ当初から全国的な巡演と他地域との交流を深めることを活動の指針としており、「人の気も知らないで」「エダニク」「流れんな」「目頭を押さえた」の計4作品を11都道府県で上演してきました。今作は、2013年6月上演「流れんな」以来、2年ぶりの新作製作です。
作品で使用されるセリフは一貫して関西弁の口語で、関西の地で実力を積んだ俳優陣が土着的な空気感をまとってリアルに立体化しています。昨今、関西出身のタレントや芸人の活躍などもあり、取り立てて珍しいとは言えない関西弁ですが、iakuの対話に見える大阪の「言葉」と「間」には、文化や生活が臭い、地方都市のリアリズムが浮かび上がります。作劇のあり方が多様化している現代演劇で、〈戯曲〉〈演出〉〈俳優〉の三本柱のストレートプレイを売りにすることは、潔さ良ささえあるのではないかと自負しています。
強度のある作品づくりを意識し、これまで全国各地で再演ツアーを繰り返していますが、本作も新たなiakuのレパートリーに加えることができるようにじっくり取り組みます。
そんなiaku が、関西は伊丹アイホール、東京では吉祥寺シアターに進出します。今、大阪のみならず、全国で注目を集めているiakuの待望の新作公演です。
Walk in closet
【アウトライン】
大阪の北部にある新興住宅地「香茨(かいばら)」(架空の地名です)。
1990年代に在阪民間企業数社と都市再生機構の共同都市開発プロジェクト事業で山林を開発して創成された町だが、現在開発が止まっている。
計画当初は800ヘクタール、居住人口5万人の都市を目指していたが、自然破壊や税金の無駄遣いを理由とした反対運動、および、都心回帰指向への時代の変遷によって居住希望者が想定通りに見込めなかったことなどが重なり計画が中断。加えて、台風の時期に土砂災害や河川氾濫などが続いたこともあり、第一期みどり地区(25ヘクタール、200戸)のまちびらき以降、20年も開発はストップしている。
都市開発計画当初からこの香茨に戸建てを購入し、生活してきた藤倉家。父、母、息子の3人家族。夫婦間ではことあるごとに「この高い買い物は早計だった」と話題に上るが、息子が自宅から通える私立大学に現役で合格し、親としての責任をある程度果たすことが出来て肩の荷が下りたところである。
父、藤倉利弘(や乃えいじ)は香茨市の教育委員会に勤める公務員で、香茨みどり地区自治会長も務めている。
母、藤倉清美(林英世)は数年前まで香茨ニュータウン駅のスーパーマーケットでパートをしていたが、息子の大学入学と50歳を過ぎたことを機に専業主婦となった。
息子、藤倉政次(池之上頼嗣)は自宅から片道1時間20分の私立大学に通う3年生。香茨ニュータウン駅から車で15分くらいのところにある「カフェ・シックスカラーズボーイ」でアルバイトをしている。
カフェ・シックスカラーズボーイの店長は、平良(福谷圭祐)という20代の若い男性。バイトは政次の他に、梓弓(橋爪未萠里)という20代の女性がいる。
藤倉家と近所付き合いがある、隣人の椿本家と自治会の活動で一緒の小西家。物語に登場するのは椿本家の妻(岸本奈津枝)と、小西家の夫(緒方晋)である。
【あらすじ/イントロダクション】
もう10月になろうとしているのに、この数週間は季節外れの台風や、停滞前線の影響で強い雨を伴った不安定な天気が続き、香茨も土砂崩落や河川氾濫への警戒が強まっている。
そんなある秋の日曜日。藤倉家のリビング。今日は曇りの予報だったのに、昼過ぎから強い雨が降ってきた。父・利弘は災害対策の自治会会合に、息子・政次は朝からバイトに出ている。母・清美は隣人の椿本婦人を招いてお茶をしている。
世間話の中で、椿本が政次のバイト先の店長・平良が「オネエ」だという噂があると言い出した。清美は平良に何度も会っているので、その噂話を笑い飛ばしていたが、少し気にかかっていることがある。以前、政次の部屋のクローゼットで見つけた同性愛者向けのDVD。友達のいたずらかもしれないし、ふざけて持っているだけかもしれない。このことはまだ政次には聞けてない。
どんどん強くなる雨音。市の広報車が「土砂災害にご注意ください」とアナウンスしている。清美は政次の帰りが心配だ。あの子は無事に帰ってくるのだろうか。
〈兵庫公演〉
【会場】
(アイホール/伊丹市立演劇ホール)
兵庫県伊丹市伊丹2-4-1
「JR伊丹駅」前すぐ、「阪急伊丹駅」より東へ徒歩約7分
MAP
【日時】
2015年11月13日(金)~
16日(月)
13日(金) 19:35
14日(土) 14:05/19:05
15日(日) 14:05
16日(月) 14:05
※受付開始は開演の50分前、開場は開演の35分前
※上演時間は約100分を予定
〈東京公演〉
【会場】
武蔵野市吉祥寺本町1-33-22
「JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅」北口より徒歩約5分
MAP
【日時】
2015年11月20日(金)~
22日(日)
20日(金) 19:35
21日(土) 14:05/19:05
22日(日) 14:05
※受付開始は開演の50分前、開場は開演の35分前
※上演時間は約100分を予定
【料金】
〈兵庫・東京共通〉
一般 3,300円(前売) 3,500円(当日)
U-22 1,500円(前売) 2,000円(当日)
高校生以下 前売・当日共に500円(枚数限定)
※U-22、高校生以下の方は年齢の確認できるものを受付でご提示ください。
※未就学児入場不可
〈兵庫公演〉 -日時指定・自由席-
整理番号付前売券を購入
※チケットはセブンイレブンでお受け取りください。所定の手数料がかかります。
※高校生以下は当日精算のみの取り扱いとなります。
当日精算券を予約
※前売券のお客様の後からのご入場となります。
※お代金は当日受付でお支払いください。
劇場に電話で予約
アイホール
TEL 072-782-2000(火曜日休館)
〈東京公演〉 -全席指定-
座席指定前売券を購入
※画面からお好きな席を選んでいただくことができます。
※チケットはセブンイレブンでお受け取りください。所定の手数料がかかります。
※高校生以下は当日精算のみの取り扱いとなります。
当日精算券を予約
※お席をお選びいただくことはできません。
※お代金は当日受付でお支払いください。
劇場で予約する
林英世
Hideyo Hayashi
大阪府岸和田市出身。同志社大学卒業後、劇団M.O.P.に在籍。‘10の解散まで存在感ある女性サブキャラクターを演じる。‘01より始めた「ひとり語り」は『映画のように言葉が立ち上がる』と好評を得、‘15演出を入れての新しい形への挑戦を開始。俳優指導にも力をいれ、演出もこなすなど、活動は多方面に及ぶ。主な出演作に新国立劇場「ピグマリオン」清流劇場「IPHIGENIE」「FATZER」。NHK朝ドラ「カーネーション」岸和田言葉指導。和田竜著「村上海賊の娘」泉州言葉監修。
や乃えいじ
Eiji Yano
PM/飛ぶ教室 所属。1965年4月生まれ。大分県出身。満開座で初舞台。
1994年のPM/飛ぶ教室 旗揚げ公演『千年の居留守』に客演。二作目以降、劇団員となる。関西を中心とした劇団への客演ほか、テレビドラマ、ナレーター、声優としても活躍。
池之上頼嗣
Yoritsugu Ikenoue
1995年1月4日生まれ。鹿児島県出身4才より劇団ひまわりに所属 。TVCM、舞台など幅広く活動中。主な出演作にPM/飛ぶ教室『とりあえず、ボレロ』ブルーシャトプロデュス「ゼロ・ファイター」等。
岸本奈津枝
Natsue Kishimoto
7月5日生まれ。B型、大阪府出身。
大学生4年の秋、立身出世劇場に入団。 役者以外にも、作・演出、振付を経験。劇団解散後もフリーで活動中。コメディ、エンタメ、会話劇、あらゆる舞台公演に出演(コメディ作品が圧倒的に多い) 。趣味は料理と外国語。年に一度の旅行が心の拠り所、ちゃんと運動もしている。
緒方晋
Susumu Ogata
1998年夏、大阪シナリオ学校の卒業生が集まりThe Stone Age旗揚げ、以降、同劇団の全ての公演に出演。2007年から休団中だったが2010年より活動再開。休団中も個人的に活動を続け、舞台の他、映画、ケーブルテレビのレギュラー、トークライブ等タレントとしても活動している。役者としては職人や頑固親父等の出演依頼が多いが劇団では子役等で出演する事も。近年は東京での客演も増えて活躍の場を広げている。
橋爪未萠里
Iyuri Hashidume
1988年2月22日生まれ。兵庫県出身。2007年に「神戸から飛び出したホッとプレゼンターズ」劇団赤鬼に入団。以降すべての作品に参加。他にも客演多数。iaku作品には『目頭を押さえた』『流れんな』に続き3度目の出演。
福谷圭祐
Keisuke Fukutani
1990年、大阪府出身。近畿大学在学中の2011年に「匿名劇壇」を結成。全ての作品で作・演出を務める。また、劇団Patch『森ノ宮演出家殺人事件』、壁ノ花団『そよそよ族の反乱』、futurismo『珈琲が冷めるまでの戦争』などの外部公演にも参加。近年はKTV『ハピくるっ!』、KissFM『STORY FOR TWO』等のメディア作品にも脚本を提供し、活動のフィールドを広げている。
作/横山拓也
演出/上田一軒
舞台監督/青野守浩〈兵庫公演〉、河村都(CQ)〈東京公演〉
舞台美術/柴田隆弘
照明/葛西健一(GEKKEN staffroom)
音響/三宅住絵(Quantum Leap*)
衣装/植田昇明(kasane)
演出助手/鎌江文子・北山佳吾(iaku)
宣伝美術・WEBデザイン/下元浩人(81 EIGHTY ONE)
宣伝写真・舞台写真/堀川高志(kutowans studio)
制作協力/三坂恵美(観劇三昧)
制作/笠原希(iaku/ライトアイ)
助成/芸術文化振興基金、アサヒグループ芸術文化財団
お問い合せ
ライトアイ
06-6647-8243(11時~19時)
http://righteye.jp