【大阪・劇団・演劇】iaku(いあく)

「The last night recipe」

日常とは何か、ずっと自分に問うている。多くのテレビドラマは、コロナ以前の世界線が続いていて、僕たちが今住んでいる場所とは少し違う。今発表する演劇は、どんな日常を設定すればいいのか。自分の生活を変化させる出来事(広義の災害、個人的体験も含む)は、作品づくりにダイレクトに影響する。作家は、自分の目の前に広がる世界を軸にして作品をつくることしかできない。この感覚は、東日本大震災のときにもあった。いつも執筆時には10年後にも上演される普遍的な戯曲を目指しているが、コロナや震災に遭うと、足元がぐらつく。考えてみたら、ハラスメントの問題や、セクシュアリティなどに対する意識も10年の間に大きく変化している。過去の作品を見返すとヒヤッとして、修正を入れることもある。ふと思う。僕は「普遍」と「不変」をごっちゃにして考えているんじゃないか。時代は変わる。日常も常識も考え方も変わる。だから今は〝2020年の作品〟を普遍的な意識をもってつくればいい。それは何も特別なことじゃない。作家はそれしか出来ないんだと開き直って、『The last night recipe』をつくることにした。(記:2020年9月)

あらすじ

フリーライターの女性・夜莉は、恵まれない環境に育ったラーメン屋で働く男性・良平をルポルタージュにまとめる取材を行うことになった。取材を重ねる中で、二人は契約結婚のような関係で婚姻を結ぶ。しかし、1年程度で夜莉が亡き人となった。生前、夜莉が日々更新していた「ラストナイトレシピ(昨夜の献立)」というブログに、彼女の作った料理のレシピの記録がある。それは、結婚してから毎日更新されていた、いわば、夫婦の食事の思い出である。夫は、そのブログを見ながら、妻との短い結婚生活を回想する。ドラマは、2019年から2021年を行き来し、夜莉に関わったライターの先輩や、夜莉の元恋人、夜莉の両親、そして良平の父を描写しながら、それぞれが夜莉の死をどう引き受け、どう生きていくかを追う。コロナの時代において、改めて「人の幸・不幸の価値観」を見つめる。

撮影:木村洋一

あつい胸さわぎopen

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