ここで起きた人身事故も、
駅一つ離れたら「迷惑」でしかなかったんかな。

作:横山拓也 演出:上田一軒

〈兵庫公演〉
2016年12月8日(木)~10日(土) ピッコロシアター中ホール
〈東京公演〉
2016年12月14日(水)~19日(月) こまばアゴラ劇場
〈三重公演〉
2017年1月14日(土)・15日(日) 四天王寺スクエア


はじめまして

iakuは2012年に劇作家の横山拓也が大阪で立ち上げた演劇ユニットです。iakuでは、徹底的にセリフ・会話にこだわった作劇を目指しており、土着的な関西弁口語を用いたディスカッションの積み上げによって「人物」や「事象」が浮き彫りにされるドラマを作っています。今回は2014年に兵庫県立ピッコロ劇団で上演した作品「車窓から、世界の」を、キャストも演出も新たに、一から作り直します。本作では、「自分と他人の命の距離」と、「奪われる命とその遠因」について議論を重ね、「なぜ自ら死を選んではいけないのか」という普遍的な問いを突き止めることに挑みます。いえ、突き止めることなど出来ないのですが、この投げかけについて共に思考してもらいたいと考えています。こう書くと取っ付きにくそうですが、iaku作品はいつも軽妙な関西弁セリフと意外性のあるユーモアで、仕上がりはエンタテインメントなのです。細やかな演出・演技で、濃密な劇空間を生み出し、得も言われぬ観劇体験を提供しています。皆様のご来場、心よりお待ちしております。


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作品紹介

イントロダクション

地元有志のはたらきかけによって出来た念願の新駅「東奥原」(ひがしおくばる)。
しかし、多くの住民は従来から利用していた特急が止まる隣の奥原駅から離れることはなかった。
おかげで、当初見込んでいた年間乗降利用客数には程遠く、
駅前開発は停滞、東奥原駅は地域発信型請願駅の代表的な失敗例となってしまった。
この駅のホームから中学生女子三人が特急電車に飛び込むという凄惨な事件から2週間。
今日は彼女たちがかつて所属したガールスカウト主催の「お別れ会」が行なわれる。
2014年春、ピッコロ劇団(オフシアター)初演の問題作、再び。

劇作家・横山拓也より

「『判らなさ』と向き合う」

「車窓から、世界の」と聞いて、テレビ番組の「世界の車窓から」を思い浮かべると思いますが、まったく関係ありません。その響きを借りているくせに全否定するのはおかしいのですが、共通するとしたら、電車が出てくるということくらいです。2016年5月に、東京の東急大井町線荏原駅で女子中学生2人が手をつないで電車飛び込み自殺をはかった出来事を記憶されている方はいらっしゃいますでしょうか。2人は演劇部で、人間関係に悩んでいたという書き置きがあったそうです。一緒に運命を共にする友人がいるにも関わらず、人間関係に悩むとは一体どういうことなのか。僕は、「車窓から、世界の」で描いた状況と酷似した事件ということもあって、報道の行方を注視していました。しかし、このニュースはそれ以上報道されることはありませんでした。自分たちも経験している「思春期」という不可解な時期のことを、大人になった我々はどうして判りたがるのか。判るはずだと考えるのか。いや、私たちは、常に「判らなさ」とどう向き合うか、どう振る舞うか、が問われているのだと思います。本作でも、そこに立ち向かっていくことになりそうです。

演出家・上田一軒より

「『車窓から、世界の』という謎」

僕にとって戯曲の良し悪しとは上演されたときに現れるものであって、読み物としての戯曲の完成度というのがイマイチよくわからない。読む文学としては或いは欠点のように見えるところが、上演された際にはその作品の表現としての強度を支えているというようなことが演劇には珍しくない。一見陳腐に見えるセリフが上演の際に深い輝きを放つなんてことも演劇においては少なくない。演出家の僕にあっては、戯曲は一つの完成した作品というよりも、解かれる謎のように現れる。というわけで、今回は『車窓から、世界の』という謎と向き合う。舞台は駅のホーム。2週間前、女子中学生3人がこのホームから列車への飛び込んだらしい。列車を待つ教師やPTA役員。ガールスカウトが主催する「お別れ会」に向かう途中。ショッキングな事件の後の風景。ところで、僕は人の死というものがピンとこない。どう受け止めていいやら、わからない。それは自分の生がピンときていないことと同じなのかもしれない。作家はときどき自分の「ピンと来ない」ものを作品の題材に選ぶ。「ピンと来ない」ことを、なんとかちょっとでも「ピンとくる」ようにするために作品を紡ぐ。答えを示すためではない。ピンとこないことをわかったような気になって議論を進めないためだ。我々は事件のセンセーショナルさに目を奪われて、事件のことを考え始めるが、事件の大きさに応じて人の心が大きくなったり小さくなったりすることはない。中学生の手つなぎ飛び込み自殺にしろ、震災にしろ。どのようにして人の死をピンとくるものにするのか。ひいては自分の生をピンとくるものにするのか。この作品では、そういう問いが、問われているように思う。


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公演情報

※受付開始は開演の40分前、開場は30分前 ※上演時間は約90分を予定しています


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チケット

※全席自由席・日時指定 ※U-22、高校生以下の方は年齢の確認できるものを受付でご提示ください ※未就学児入場不可


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キャスト

スタッフ

作:横山拓也
演出:上田一軒
舞台監督:青野守浩
舞台美術:柴田隆弘
照明:葛西健一(GEKKEN staffroom)
音響:三宅住絵(Quantum Leap*)
音響オペレーター(東京公演):今里愛(株式会社エスエフシー)
演出助手:鎌江文子
宣伝美術・webデザイン:下元浩人(EIGTY ONE)
宣伝写真・舞台写真:堀川高志(kutowans studio)
チラシモデル:澤田紬希、徳永風歌、山内佑夏(以上、舞夢プロ)
制作:笠原希(iaku /ライトアイ)
企画・製作:iaku
兵庫公演共催:兵庫県立尼崎青少年創造劇場
東京公演提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
三重公演提携:特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ、四天王寺スクエア
助成:芸術文化振興基金


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お問い合せ

ライトアイ
06-6647-8243(11時~19時)
http://righteye.jp

iaku
info.iaku@gmail.com


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